(非公式翻訳)
尊敬する国民の皆様、
私の任期も残り1年となりました。
本来ならそろそろ締めくくりの準備を考える時期であります。
しかし私は、この残りの1年が、
これまでの4年間にも増して重要であると考えております。
我々は今なお危機にさらされており、
国民は平凡な日常に復帰できない日々が続いています。
危機の克服に留まらず、
危機の中で新しい未来を創り出していくことが
我が政府に残された課題であります。
それはつまり、より堂々たる大韓民国、
より豊かな国民生活を創り上げることであります。
私たちの目にはすでに希望が見えてきております。
引継ぎ委員会も無いまま任期が始まり、
これまで全力で駆け抜けてまいりましたが、
任期を終えるその日まで、ただひたすら前だけを向いて進むこと、
それが政府の避けられない責務であると存じます。
新型コロナウィルス感染症が発生してから早くも1年3ヶ月が過ぎました。
これほどまでに事態が長期化するとは思いもよりませんでした。
ここまで人類の生活を
根底から揺るがすことになるなど、想像もできませんでした。
感染症と防疫措置に伴う苦痛、
甚大な経済的被害と失業、
未だかつて経験したことのない平凡な日常の喪失、
計り知れない困難に見舞われている国民の皆様に、
心からのいたわりの気持ちをお伝えしたく存じます。
誠に感謝すべきことは、
危機の瞬間にこそ強い
大韓民国の底力を見せつけることができた点であります。
韓国が
他の先進各国に先駆け、防疫の模範を示す国になるとは
誰も予想できなかったことであります。
しかし、我々はやり遂げました。
OECD加盟国の中で、
コロナ禍以前の経済水準を
我が国が最も早く取り戻せるとは
誰にも想像できませんでした。
ですが、我々は見事に成果を手にしたのです。
それは、偉大な国民の存在があったからこそ可能なことでした。
国民の皆様は、長い長い苦難のトンネルの中でも
忍耐し、連帯し合いながら、協力してこられました。
また、世界が羨む成熟した市民意識をも示されました。
危機に強い大韓民国を再発見し、誇りを持てたのも、
ひとえに国民の皆様のご努力の賜物であります。
改めて限りない尊敬と感謝の意を表しますとともに、
最後のその日まで
政府は最善を尽くして国民の期待にお応えしていく決意であります。
国民の皆様、
今少しの辛抱です。
コロナ禍との戦いにもようやく終わりが見えてきました。
ワクチン接種が加速化し、今や集団免疫の獲得も近いと思われます。
集団免疫がコロナ禍を終息させることはできなくとも、
感染の危険性を低下させ、
やがて我々は日常を取り戻せることでしょう。
早期の経済回復を国民生活の回復につなげるとともに、
雇用の回復、コロナ禍によって発生した格差と不平等問題の解決に
全力を尽くして取り組んでまいります。
フロントランナー型経済への大転換に邁進し、
フロントランナー国家へと飛躍する土台を築いていく方針です。
政府は偉大な国民とともに
危機を乗り越え、
回復と包容、飛躍の道へと歩みを進めてまいります。
国民の皆様、
防疫状況については、いまだ不安が拭い切れないのが現状です。
しかしながら、世界的に
新型コロナウィルス感染者数が増加傾向にある中、
韓国は防疫当局の管理可能な範囲内で統制されています。
特に最も重要とされる致死率は、
他国とは比べものにならないほど低い水準を保っております。
これまでに行われてきたワクチン接種と、韓国産の抗体治療剤が
致死率の低下に大きな役割を果たしております。
政府は先行検査と徹底した疫学調査、迅速な治療など、
防疫の原則と基本を揺るぎなく守り、
また国民の皆様から
経済的被害や不便を強いられる状況の中にもかかわらず、
積極的なご協力をいただいたことで、
K-防疫が世界に模範を示す事例となり得たのです。
他方で、目に見えない感染が今なお続いており、
変異株への懸念も高まっています。
一瞬たりとも警戒を緩めてはなりません。
状況が安定するまで、
政府は一層徹底した防疫管理に取り組んでまいります。
ワクチンの接種により、日常回復への道程が始まりました。
今少し早く始めていたらと、残念な思いが残るのも事実であります。
ワクチン接種が進んでいる国と比べてしまうこともありましょう。
しかしながら、ワクチンの開発国でもなく、
大規模な先行投資も行えなかった韓国の環境下で、
防疫当局と専門家が
韓国の防疫状況に合わせ、
ワクチンの導入と接種に向け緻密な計画を立て、
計画通りに滞りなく接種を進めていることについては、
正当な評価を受けるべきであると考えます。
とりわけ、世界的なワクチンの供給不足と需給不安定により、
ワクチン確保競争が激化している中、
企業まで協力に乗り出すなど、全方位における努力の結果、
韓国人口の2倍に当たる分量のワクチンを確保することができました。
3回目接種の可能性と変異株への対応、
未成年者や子どもなど接種対象の拡大、
来年に必要になるワクチン量まで考慮し、
さらなるワクチン量確保に向けて引き続き努力していく所存です。
接種速度もスピードアップさせています。
目標値を上方修正し、
6月末まで1,300万人以上に接種を行う計画であり、
9月末までには接種対象国民全員に対する1回目の接種を終え、
11月の集団免疫達成を目指した当初の計画を前倒ししたい考えです。
政府は大規模なワクチン接種が可能な
韓国の医療システムとインフラを最大限活用してまいります。
国民の皆様にも積極的なご協力をいただきたく存じます。
一方、政府といたしましては、
コロナ禍の長期化に備えたワクチン自主権の確保に向け、
韓国産ワクチン開発を総力を挙げて支援すると同時に、
世界第2位のバイオ医薬品生産能力を基に、
ワクチン生産のグローバル・ハブを構築すべく、
全面的な支援を惜しまない所存です。
国民の皆様、
今からちょうど1年前、
全世界は新型コロナウィルス感染症の衝撃により、
国境封鎖、グローバル・サプライチェーンの崩壊など、
世界大恐慌以来最悪の経済低迷状況に陥っておりました。
世界の需要と供給が一斉に打撃を受け、
実態経済と金融が同時に縮小するという複合危機に見舞われるとともに、
企業活動と営業の制限によって大量失業事態がもたらされるという
未曾有の経済危機に直面しておりました。
1年前、私はちょうどこの場で、
国民の皆様とともに経済危機の克服に向けて
持てる力をすべて注いでいくとお約束いたしました。
危機からの脱却に留まらず、
危機をむしろ機会に変えるため、全力を尽くすと申し上げました。
それから1年が過ぎた本日、同じ場に立ち、
韓国経済はOECD加盟国の中でも最も早い速度で、
既に第1四半期のうちにコロナ禍以前の経済水準に回復したと、
国民の皆様にご報告することができ、
大変嬉しく存じます。
経済危機の中、苦しみに耐え抜いて勝ち取った成果であります。
家計と企業、政府が一体となって手にした
国家としての成就であり、国民の誇りであります。
全ての経済指標が堅調に推移し、回復基調を示してきております。
4月までの輸出実績は過去最大規模となっており、
設備投資も急増しております。
消費がようやく上向いているほか、
市場マインドもコロナ禍以前の水準に好転しております。
世界中が韓国経済の急回復の可能性を予め予測し、
国際機関が韓国の成長率の見通しを一斉に上方修正する中、
4%以上という数値まで示されています。
政府は、より迅速で、より強力な経済回復を果たしていく所存です。
今年、韓国経済が
11年ぶりとなる4%以上の成長率を達成できるよう、
政府は総力を挙げて取り組み、民間の活力を高めてまいります。
積極的な拡張的財政政策に基づいて経済回復を牽引し、
防疫の安定化状況に応じて
果敢な消費刺激策と内需拡大策を講じてまいります。
企業の先行投資を積極的に支援するとともに、
特に輸出において過去最大の実績を目指し、
最大限の支援を惜しまない考えです。
経済指標が改善されたからといって、
直ちに国民の暮らしが良くなるわけではありません。
危機によって不平等がさらに深刻化しております。
経済回復の恩恵をすべての国民が実感できてこそ、
「完全な経済回復」と言えるでしょう。
「完全な経済回復」に向けた最優先課題は、
雇用の回復です。
雇用状況は改善しているものの、
依然として危機以前の水準には及びません。
足元の景気回復の流れが雇用回復につながるよう、
政策的支援に力を集中してまいります。
何よりもまず
良質な民間雇用の創出に重点を置いて取り組む計画です。
3月に示された雇用回復基調においては、
民間雇用の増加が大きく後押ししているとの
前向きな変化が見られました。
デジタルやグリーン産業など未来の有望分野において
大規模な雇用創出を見込めるよう、
投資拡大とともに、
人材養成や職業訓練など強力な支援策を実施してまいります。
特に、企業とのコミュニケーションを強化し、
規制イノベーション、新産業育成、ベンチャー企業支援など、
民間雇用の創出基盤を拡大してまいります。
造船業など、
景気回復に伴って雇用拡大が予想される分野に対しては、
熟練労働者をタイムリーに確保できるよう支援していく方針です。
コロナショックによる雇用格差の拡大については
大変心苦しく思っております。
特に、大きな苦痛を強いられている若年層と女性に対し、
格別の関心を払っていきたいと存じます。
雇用関連予算を迅速に執行し、
必要とあらば、さらなる財政出動も辞さない考えであります。
任期の最後まで雇用を最優先課題と位置づけ、
一つでも多く雇用を増やしていくべく最善を尽くしてまいります。
完全な経済回復の終着点は、
コロナ禍によって発生した格差や不平等の解消にあります。
政府は経済的不平等の緩和を国家的課題として取り上げ、
政権発足初期から
所得主導成長と包容政策を強く推進してまいりました。
最低賃金の引き上げ、非正規雇用の正規雇用化、
労働時間の短縮、基礎年金の引き上げ、子ども手当の導入、
高校無償化実施、健康保険適用率の向上など、
数々の政策を着実に推進してまいりました。
市場への衝撃を懸念する反対意見もありましたが、
少なくとも雇用セーフティネットや社会的セーフティネットの強化、
再分配指標の改善といった
肯定的成果が表れたことは明らかな事実であります。
私は、それがコロナ禍を克服する
大きな力になっていると信じております。
ところが、コロナ危機がそれまでの流れを逆流させました。
コロナ禍は非常に深い爪痕を残しました。
特に、生活が厳しい人々をさらに困窮させ、
コロナ格差の中で不平等は一層深刻化しました。
コロナ禍自体による
直接的•間接的な被害も極めて大きいものがありますが、
コロナ禍によってもたらされた社会•経済変化の中で
勝ち組とされる業種と企業が存在する反面、
業績が下振れする業種や企業が現れております。
雇用においては今後一層の大きな変化が見られると思われます。
コロナ禍の影響で大きな打撃を受けた業種や
小規模事業者、自営業者などが直面した困難を軽減するために、
引き続き努力してまいります。
また、雇用保険の適用拡大や、国民就業支援制度を定着させ、
雇用セーフティーネットを一層強化していく考えでございます。
リアルタイムで所得を把握できるシステムを構築、
全国民雇用保険時代の幕を開け、
体系的な被災者支援と
きめ細やかな福祉の実現に向けた基盤を築いてまいります。
傷病手当の導入、
扶養義務者基準廃止などの政策にも拍車をかけてまいります。
コロナ禍によって増加したケアの負担やケア格差の解消に向けても、
特別な関心を持って取り組む方針です。
住居の安定は、国民生活の柱です。
日増しに深刻化している資産不平等問題を改善するためにも、
不動産投機を徹底して根絶してまいります。
居住者はしっかり保護しながら、
不動産市場の安定化を果たすべく最善を尽くす考えです。
民間による住宅供給に加え、公共主導型の住宅供給対策を
計画通り滞りなく推進してまいります。
持ち家のない庶民や新婚夫婦、青年層が
マイホームの夢を叶えられるよう、
自家居住者の負担を軽減する
様々な政策的支援を拡大していく方針です。
不動産に関する不正行為は必ずや一掃いたします。
公職者や公共機関の職員による不動産投機が
国民の心を深く傷つけたことを教訓にして、
透明かつ公正な不動産取引秩序の確立と
違法な投機を根本的に防止するための制度改革を
完遂する所存です。
危機のもう一つの名は、機会であると言われます。
コロナ危機が国際経済の秩序を一変させました。
自国の状況が差し迫ってくるや、
開放と協力よりは各自生き残りを図る道を模索し始めたのです。
各国が国家の役割を一層強化させ
莫大な国家財政を投入し、
グローバル・サプライチェーンを自国中心に再編すべく、
必死に取り組んでいます。
このような緊迫した状況の中、
韓国経済は危機を機会に変えながら、
一層堅調な経済へと成長を遂げております。
昨年、危機状況であったにもかかわらず、
世界でもトップ10に迫る経済大国になり、
1人当りGDPも史上初めてG7諸国を上回りました。
半導体とバッテリーなど韓国経済を支える主力産業は、
世界最高水準の競争力を基に、
グローバル・サプライチェーンを主導しております。
造船産業は没落の危機から、圧倒的な世界トップの座に返り咲き、
自動車生産においても、電気自動車、水素自動車など
エコカー分野をリードし、
世界5大自動車生産大国の仲間入りを果たしました。
製造業の強さが韓国経済を支えているのです。
政府は製造業の革新と復興を全力で支援してまいります。
特に、韓国経済の中核産業に対しては、
厳しい国際的な競争を乗り越え、
世界を牽引し続ける産業として発展できるよう、
国益の観点から国家戦略産業として
全方位的な支援を強化してまいります。
グローバル・サプライチェーンの確保を巡る競争が
最も激しく繰り広げられている業種が半導体であります。
世界経済の大転換期の中、
半導体はあらゆる産業領域において核心的なインフラとなっています。
韓国の半導体は10ヶ月連続で輸出増加を記録、
世界トップの座を堅持しており、
システムLSIまで輸出主力品目として成長しております。
今後とも世界最高という大韓民国半導体の地位を守りながら、
現在の半導体分野の好況を新たな飛躍の契機とし、
韓国の国益を守っていく所存です。
1年前の今日、
私はこの場において、
フロントランナー型経済への転換と
韓国版ニューディール・プロジェクトを
強力に推進していくと申し上げました。
韓国版ニューディールを
ポストコロナ時代に備える
非対面経済とデジタル経済、
不平等の解消と雇用創出に向けた
国家的プロジェクトとして打ち出しました。
それは、キャッチアップ型経済からフロントランナー型経済へ、
炭素依存型経済から低炭素経済へ、
不平等社会から包容社会を目指して前進していくといった
大韓民国大転換宣言へと続きました。
この宣言を受け、政府は雇用セーフティーネットと
社会的セーフティーネットの土台の上に、
デジタル・ニューディールとグリーン・ニューディールの二つの柱を立て、
大韓民国建国以来最大規模となる
160兆ウォンの投入を決定いたしました。
当時としてはあまり馴染みのない構想であったかもしれませんが、
現在、正しい方向性を示していることが証明されつつあります。
今やその道は我々だけでなく、
世界的にも普遍の道となっております。
1年前、我々が韓国版ニューディールとして提起した課題が、
今や全世界の時代的課題となっております。
現在、韓国版ニューディールは、
本格的な財政投入が進められ、本軌道に乗り出しています。
地域と民間への拡大も加速化しております。
任期の最後まで韓国版ニューディールを力強く推進し、
大韓民国の大転換に向けた堅固な土台を構築してまいります。
韓国政府が未来の新成長産業として定めた
システムLSI、バイオ産業、未来の自動車などの3大新産業は、
フロントランナー型経済の主軸としてしっかり定着しつつあります。
データ、ネットワーク、人工知能産業は
技術革新を牽引し、新しい市場を開拓しています。
フロントランナー型経済の新しい主役として台頭してきた
スタートアップとベンチャー産業は、
第2のベンチャー・ブームと呼ばれるほど、
目覚ましい成長を遂げています。
2016年にはわずか2社だったユニコーン企業が13社に増え、
経済危機下にもかかわらず、
ベンチャー分野の起業や投資、ファンド造成額、雇用は
いずれにおいても大幅に増加しました。
特にベンチャー企業が
株式市場の中心的な銘柄として台頭している事実は、
韓国産業の構図が大きく変化していることを表しています。
KOSDAQ市場では、
時価総額で上位20位以内に入るベンチャー企業が13社に増加し、
KOSPI市場でも
上位20位以内のベンチャー企業は4社となっております。
すべてコロナ禍の時期に注目を浴びている
バイオ分野と情報通信分野のリーディング・カンパニーです。
第2のベンチャー・ブームが
コロナ禍による危機的状況下でさらに拡大していることは、
韓国経済のダイナミズムを
如実に物語っていると評価できるでしょう。
政府は新産業と革新ベンチャーを韓国経済の未来として位置づけ、
より早い成長を遂げ、さらに力強く羽ばたけるよう、
全面的な支援を行ってまいります。
国民の皆様、
意志あるところに道は開かれます。
韓半島における対立と葛藤の時代に終焉を告げ、
平和と繁栄の時代を切り開くことは、
8千万におよぶ我が民族の念願であります。
残りの任期1年を、
未完の平和から不可逆的な平和へと向かう
最後の機会と捉えてまいります。
長い熟考の時間もようやく終わりを迎えております。
今や行動に移すべき時期に来ております。
米国のバイデン新政権も、対北朝鮮政策の検討を完了しました。
我々と緊密に協議した結果であります。
韓半島の完全な非核化を基本目標とし、
シンガポール宣言のもと、外交を通じて
柔軟かつ漸進的・実用的なアプローチで解決を図るといった
バイデン政権の対北朝鮮政策の方向性を歓迎いたします。
5月下旬に予定されている韓米首脳会談を機に、
韓米同盟を一層堅固なものとしていく一方で、
対北朝鮮政策をより緊密に調整、
南北間、米朝間の対話を再開させ、
再び平和協力の歩みを進めるための道筋を模索したく存じます。
残る任期の間、時間に追われることも、焦ることもなく進んでまいります。
再び平和の時計の針を戻し、
韓半島平和プロセスを進展させていける機会が訪れたなら、
その時は、全力を尽くしていく所存です。
北朝鮮に対しても、我々の呼びかけに呼応するよう期待いたします。
共に平和を築き、共に繁栄に向かって前進できることを願います。
我々は、外交を通じた問題解決への
確かな可能性を目にしてきました。
国民の皆様も、対話の雰囲気醸成に
力を合わせてくださいますようお願い申し上げます。
特に、南北合意および現行法に違反し、
南北関係に水を差す行為は、決して望ましいものではありません。
政府としては、
厳正な法執行を行わざるを得ないことを強調したく存じます。
大韓民国は
G7に招請され続けていることからもわかるように、
国のプレゼンスが非常に高っています。
K-防疫が世界の標準となり、
世界各国は韓国経済の驚くべき回復力と成長潜在力に
注目しております。
K-POP、K-ビューティー、K-フード、K-コンテンツは、
グローバルブランドとなり、
大韓民国の文化に世界中の人々が熱狂しています。
経済、文化、芸術、科学、保健、民主主義など、
我々の魅力と国際社会への貢献が、
大韓民国をソフトパワー強国へと押し上げています。
我々の誇らしい姿であります。
国のプレゼンス向上にふさわしく、
国際社会における責任と役割も強化してまいります。
コロナ禍以前、私は、
計24回にわたり31ヶ国を訪問し、
コロナ禍の状況でも48ヶ国の首脳および国際機関のトップと
65回に及ぶ電話会談またはテレビ会談を行い、
国際社会の連帯と協力に寄与すべく努めてまいりました。
今後とも人類共通の課題である感染症と気候変動への対応に
積極的に取り組んでまいります。
昨年末、政府は「2050カーボン・ニュートラル」を宣言いたしました。
カーボン・ニュートラルは人類がともに取り組むべき
避けられない課題であります。
すでに政府は石炭火力発電所を早期に削減し、
太陽光や風力などの
新・再生可能エネルギーの占める割合を増やしてきました。
水素経済への移行にも拍車をかけております。
産業別エネルギーシフトの加速化に向けた
官民の協力が一層強化されており、
発電、産業、輸送、建物、都市インフラなど、社会の全分野別における
カーボン・ニュートラルのロードマップの作成が行われています。
政府は本年を大韓民国のカーボン・ニュートラル元年といたします。
低炭素経済への転換は、単なる環境配慮政策ではありません。
新しい技術と新しい産業を生み出し、
多くの雇用を創出する極めて大きな機会になるでしょう。
今月末、韓国で開催されるP4Gサミットは、
気候変動対応に向けた国際社会の協力を強化する一方で、
韓国が主導的な役割を担う姿を発信できる良い機会となるでしょう。
責任ある中堅国家として
大韓民国の地位を高める契機にしたいと考えております。
国民の皆様、
残りの任期1年は、
短くも長い時間であります。
その1年が大韓民国の運命を左右する可能性があるという姿勢で
臨む所存です。
数多くの危機に直面するたびに団結し、
前進を果たしてきた偉大な国民と共に、
堂々たる歩みを続けてまいります‘。
すべての評価は国民と歴史に委ね、
最後まで献身していく決意であります。
国民の皆様には、何卒ご声援のほどよろしくお願い申し上げます。
ご清聴ありがとうございました。