本日の国務会議は誰も揺るがすことのできない強い経済を作るという
並々ならぬ覚悟と意志を込めて韓国科学技術研究院で開くことと
なりました。本年2月、新たな100年の未来を描いて
白凡記念館で国務会議を開いてから2回目となる現場での
国務会議です。
韓国科学技術研究院は、大韓民国における科学技術のゆりかごです。
韓国が科学技術の不毛の地に等しかった頃、科学立国、
技術自立の旗印の下に設立され、技術の国産化と自立化に取り組んで
きました。
鉄鋼、造船、半導体、自動車など「漢江の奇跡」をリードした韓国産業の青写真がここで描かれました。
今や先進国の技術を追いかけるレベルを超えて、世界をリードして
いくオリジナル技術の開発を先導しています。未来型ロボット分野の
ロボット・メディア研究所やつい先程訪れた次世代半導体研究センターがまさにその現場といえます。
経済大国建設の原動力となる科学技術の現場にて国務会議を
開くことの意味を、しっかりと心に留めていただきたいと思います。
材料・部品・装置産業における競争力の強化は経済大国に向けた国家戦略課題です。韓日関係だけでなく、韓国経済100年の土台を作ることです。材料・部品・装置産業における競争力の強化は製造業のイノベーションを通じて、製造大国、ものづくり大国へと再び飛躍する道です。製造業の競争力における中核要素なのです。
とくに材料・部品・装置産業の競争力を抜本的に強化するためには、中核技術の自立化をさらに加速する必要があります。材料・部品・装置メーカーは全製造業界の生産・雇用の半分を占めています。そして、そのほとんどが中小・中堅企業です。材料・部品・装置産業を育てることは、結果的に中小・中堅企業を育てることであり、大企業と中小企業が協力し合う産業の生態系を作ることとなります。これは長い間蓄積されたわが国経済の構造的な問題を解決し、持続的な成長の土台を作ることとなるでしょう。
さらに、材料・部品・装置産業における競争力の強化は、世界経済と貿易環境の変化に対する積極的な対応戦略です。保護貿易主義の高まりと不確実性の拡大、さらには国際分業構造の変化まで想定して推進していかなければなりません。
この2カ月間、材料・部品・装置産業における競争力の強化は名実ともに
国家戦略課題として位置づけられ、推進する力を確保することが出来ました。大企業と
中小企業、産研学、そして市民の方々からの励ましとエールを頂き、
まさに国民的なコンセンサスが得られています。これは過去に例を見ないことで、
大きな力となっています。
このことから、政府は活用可能なすべての資源を動員して技術の国産化と
供給安定性の確保、産業競争力の強化を同時に推進しています。
すでに具体的な変化が見えつつあります。国産品への切り替えを目指して
特定の国への依存度の高い25の中核品目の技術開発に
着手しました。半導体分野では材料国産化の目途がついていて、
大企業と国産部品の量産に成功した中小企業が相互補完型の
スマート工場の構築に力を合わせました。国民的コンセンサス、政府の
政策、産業現場の変化が好循環を生み出したといっても良い
でしょう。
政府は、これまでとは異なるアプローチと特段の対策を進めることでこうした前向きの変化にさらに弾みをつけていきます。
第一に、繰り返し申し上げてきたとおり、政府投資を果敢に増やしていきます。
材料・部品・装置における技術競争力は長いスパンでの投資と研究開発が前提となります。来年度予算案に材料・部品・装置の自立化予算を本年の倍以上と大幅に拡大し、今後3年間、5兆
ウォンを集中的に投資します。素材部品特別法の制定以来、
19年間投じられた5兆4千億ウォンにも及ぶ規模です。
中核部品の迅速な技術開発に向けて2兆ウォン規模の
研究・開発事業に対する予備妥当性調査の免除も確定しました。
第二に、企業同士の協力関係を構築し、研究・開発と製造との連携に特に重点を置きます。材料・部品・装置産業の特性を考えると、製品開発の企画段階から安定した販売にいたるまでの全プロセスで需要-供給企業同士の緊密な協力が重要です。
税制、金融、立地、規制特例をパッケージとして支援することで企業同士の協力を促し、供給企業での技術開発と需要企業の適用を結びつける実証量産のテストベッドを充実させていきます。
潜在成長力のある強小企業とスタートアップ企業を支援してグローバルレベルの部品・材料・装置専門企業を育成していきます。
第三に、強力な推進体制を整えて現場の変化を促進し、
支援していきます。本日の国務会議で議決する材料・部品・装置
競争力委員会がコントロールタワーとなり、企業間協力モデルの定着と
制度改善を重点的に推進していきます。限時法として材料・部品にのみ適用している現行法を装置にまで拡大し、恒久法として全面改編して法的基盤をさらに強化していきます。