南北離散家族の再会行事での母のイ・グムソムさん(韓国)と息子のリ・サンチョルさん(北朝鮮)=20日、北朝鮮・金剛山、聯合ニュース
[イ・ギョンミ]
「サンチョル!」
「お母さん!」
92歳のイ・グムソムさんは、韓国戦争当時別れた息子がテーブルの近くに来ると、名前を呼びながら涙を流した。時間が過ぎたにもかかわらず、お母さんそっくりの息子のリ・サンチョルさんもお母さんを抱きしめて泣いた。息子が持ってきた夫の写真と家族写真を見たイ・グムソムさんは、「子供は何人いるの」など様々な質問をし、ずっと息子の手を離さなかった。
北朝鮮の金剛山(クムガンサン)で開かれた南北離散家族の再会行事初日、午前に韓国の束草(ソクチョ)から出発した89人の韓国側離散家族が北朝鮮側の家族と再会した。
午後3時、初行事である団体再会が始まり、韓国側の家族が登場すると北朝鮮の歌謡「パンガプスムニダ」(お会いできてうれしいです)が流れた。家族を確認したテーブルからは泣き声が聞こえ始め、会ってすぐ抱きしめあった。
約2時間行われた初の団体再会で、南北の離散家族はお互いの顔をずっと見ながら安否を確認した。
戦争から避難する当時、二人の娘と別れた99歳のハン・シンジャさんは号泣した。92歳のキム・ダルインさんは北朝鮮に住む妹と再会した。妹に「老人になったね」と言うと妹は「お兄さんに会うためこんなに長生きしてたのよ」と話し、涙ぐんだ。
1950年から1953年まで発生した韓国戦争で、長年別れていた南北離散家族は、今回の再会行事で大体涙を隠せなかった。しかし、この中には笑いながら喜んで家族を迎える離散家族もいた。
87歳のソ・ジノさんと別れた二人の弟は、3人で手をあわせて明るい顔で、嬉しい表情を見せた。「3人兄弟がつい会うことになった」とし、和気あいあいとした雰囲気が続いた。
韓国から訪問した家族の中で最高齢者の101歳のペク・ソンギュさんは、車いすに乗って息子・孫と一緒に登場した。北朝鮮から来た嫁と孫は号泣したが、ペクさんは一生会えないと思っていた家族に会えて嬉しそうにずっと笑顔を見せた。
初日に団体再会と歓迎晩さん会の日程を終えた家族たちは、21日個別再会を行った後、客室で家族で弁当を食べる。22日には最後の再会の後、団体で食事をして韓国に戻る。
24日からは2泊3日の日程で、北朝鮮側の離散家族83人と韓国側の家族が同じ方法で再会する。
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